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ネットワーク接続技術者 工事担任者試験 DD 第3種(第I部 電気通信技術の基礎)

← 1.1 直流回路  目 次  

    1. 1.2 静電作用とコンデンサ
      1. 1.2.1 クーロンの法則
      2. 1.2.2 静電容量
      3. 1.2.3 コンデンサの直列接続
      4. 1.2.4 コンデンサの並列接続
      5. 1.2.5 練習問題

1.2 静電作用とコンデンサ

1.2.1 クーロンの法則

2個の電荷 Q1[C]、Q2[C] の間には、Q1 と Q2 を結ぶ直線方向に静電力 F[N] が働く。誘電率を ε[F/m]、Q1、Q2 の間の距離を r[m] とすると、静電力 F は次式で表せる。

F=Q1Q2/4πεrr

つまり、静電力 F は、電荷 Q1、Q2 の積に比例し、Q1、Q2 の距離の2乗に反比例する。また、電荷 Q1、Q2 が 両方とも同符号(ともにプラス、またはマイナス)の場合は、反発する方向に静電力が働き、電荷 Q1、Q2異符号(プラスとマイナス)の場合は、引き合う方向に静電力が働く。

1.2.2 静電容量

コンデンサに蓄えられる電荷量を Q クーロン [C]、コンデンサの両極板間の電位差を V ボルト [V]、静電容量を C ファラド [F] とすると、次式が成り立つ。

Q = CV

また、平行平板の面積を S[m2]、間隔を d[m]、平板間の誘電体誘電率を ε とすると、平行平板の静電容量 C[F] は、次式で表すことができる。

C = εS/d

つまり、静電容量を大きくするためには、次の3つの方法がある。

  1. 平板の間隔を狭くする(間隔 d に反比例)
  2. 平板の面積を大きくする(面積 s に比例)
  3. 平板間に誘電率の大きな誘電体を挿入する(誘電率 ε に比例)

1.2.3 コンデンサの直列接続

静電容量 C1[F]、C2[F] の2つのコンデンサを直列に接続した場合の合成静電容量 C は次式で表される。

1/C=1/C1+1/C2

1.2.4 コンデンサの並列接続

静電容量 C1[F]、C2[F] の2つのコンデンサを並列に接続した場合の合成静電容量 C は次式で表される。

C = C1 + C2

1.2.5 練習問題

H18年第1回

次の文章の[ ]内に、解答群の中から、最も適したものを選び、その番号を記せ。

静電容量が 3C ファラドのコンデンサに V ボルトの直流電圧を加えると、コンデンサに蓄えられる電荷の量 Q は、[ ] クーロンで表される。

解答群

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電荷量 Q は,以下の式で求められる。

Q = CV

このとき C が「3C」であるので,それを代入すると,

Q = 3CV

となり,答えは 3CV となります。

H18年第2回

次の文章の[ ]内に、解答群の中から、最も適したものを選び、その番号を記せ。

2 個の電荷 Q1、Q2 の間には、Q1 と Q2 を結ぶ直線方向に力が働く。その大きさは、Q1 と Q2 のそれぞれの電荷の量の積に比例し、Q1 と Q2 間の距離の[ ] 乗に反比例する。

(1) 1/2    (2) 1    (3) 2

解答←クリック

クーロンの法則より,

F=Q1Q2/4πεrr

静電力 F は,2つの電荷量の積に比例し,2つの電荷量間の距離の2乗に反比例する。

H20年第2回

次の文章の[ ]内に、解答群の中から、最も適したものを選び、その番号を記せ。

平行電極板で構成されているコンデンサの静電容量を大きくする方法の一つに、[ ] 方法がある。

(1) 電極板の面積を小さくする    (2) 電極板の間隔を大きくする    (3) 電極板間に誘電率の値が大きい物質を挿入する

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平行平板の静電容量 C[F] は、次式で表すことができるから,

C = εS/d

静電容量を大きくするためには,

  1. 平板の間隔を狭くする(間隔 d に反比例)
  2. 平板の面積を大きくする(面積 s に比例)
  3. 平板間に誘電率の大きな誘電体を挿入する(誘電率 ε に比例)

の3つの方法がある。

H21年第1回

次の文章の[ ]内に、解答群の中から、最も適したものを選び、その番号を記せ。

静電容量の単位であるファラドと同一の単位は、[ ] である。

(1) ボルト/アンペア    (2) ジュール/クーロン    (3) クーロン/ボルト

解答←クリック

電荷量 Q は,以下の式で求められる。

Q[C] = C[F]・V[V]

これを静電容量 C を求める式に変形すると,

C[F] = Q[C] / V[V]

右辺の式の単位は,[C/V]となる。つまり答えはクーロン/ボルトとなる。

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